「アメリカのグリーンファッション」

循環とくらし 2011年3月 No.2  ファッションと循環~エコもおしゃれもしたいあなたに~
廃棄物資源循環学会編集

Junkan to Kurashi

(冒頭一部ご紹介)

おしゃれってなんだろう?
アメリカのグリーンファッション
田中めぐみ

グリーンファッションとは

アメリカでは、素材生産から製品生産,物流,販売工程,そして消費者に使用され廃棄されるまでの商品ライフサイクル全体を通して、環境や社会に配慮したサステナブルな手法を採用した衣服や服飾小物のことを、グリーンファッションやサステナブルファッションという。現状では、いずれかの工程がサステナブルであればグリーンと提唱されており、どこまで対策を行えばサステナブルといえるかの判断は企業や個人の考え方に委ねられている。以下、各工程でどのようにファッションのサステナブル化を実現できるかを見ていこう。

素  材
現在市場に出ている環境配慮型ファッションで最も多いのは,環境配慮型素材を使用した製品である。グリーンファッションと称される製品のほとんどがこの分野に当てはまる。一般に,オーガニック農法により栽培・畜産されたコットン,麻,ヘンプ,ウール,シルクなどの天然繊維,リサイクルポリエステルやリサイクルナイロンなどのリサイクル合成繊維,木材原料のリヨセルや大豆繊維など植物原料の半合成繊維・再生繊維などがサステナブル素材とされている1)。古着や古シーツなど古繊維を解体し,素材として採用する企業もある。どの素材がサステナブルであるかという統一した見解は,今のところない。たとえば,リサイクルポリエステルは,ごみを削減しているからサステナブルだと考える人もいれば,化学物質を使用する合成繊維であるからサステナブルではないと考える人もいる。植物原料の繊維でも,生成過程で有害物質を使用していればサステナブルとはいえないだろうし,廃液の処理なども問題になる。オーガニック繊維に関しては国や団体が基準を設け規制を行っているが,その他の繊維に関しては各社・各個人に判断を委ねられているのが現状である。

染色・加工
繊維製品には染色・加工が欠かせないが,同工程ではエネルギー,水,化学物質を大量に使用するため,大きな環境負荷が掛かる。色や加工 (プリーツやダメージ加工など) は,寒さから身を守る,人体を覆うといった衣服本来の役割を鑑みれば必要のないものである。しかし,ファッション性を・・・

(中略)

アメリカの動向

環境とファッションの融合
アメリカでは、1990年代初頭から環境や社会に配慮したファッションが市場に出てくるようになったが、環境・社会的負荷の削減を重視しファッション性をないがしろにしたため、一部の環境・社会問題に意識の高い人々以外に受け入れられることはなかった。
しかし2000年代に入ると、オーガニック食品を購入することや社会問題に取り組むことがかっこいいと捉えられる風潮が生まれ、その現象はファッション業界にも飛び火した。

04年頃から、一部のデザイナーがファッション性を維持しなければエコファッションは浸透し得ないことに気付き始め、おしゃれで環境や社会に配慮したブランドを立ち上げるようになった。05年2月のニューヨーク・コレクション会期中には・・・